ある研修担当者のブログ

ビジネスパーソンの成長に関することを書いてます。

読書メモ『戦略人事のビジョン』

僕は人事ではありませんが、人材育成にかかわる立場から読んでも、示唆に富む本でした。

戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ (光文社新書)
https://www.amazon.co.jp/dp/433403683X/ref=cm_sw_r_cp_api_i_83ymCb6ERKBHB

 

印象に残った箇所を2つ引用してご紹介します。

 

管理職ポストの数というものは、ビジネスの現実が決めるものであり、早い話、顧客が決めるものだからです。

上記に基づくと「ある会社の組織図を描くのは、その会社の顧客である」といえるのではないでしょうか。

 

人事評価には難しい問題がつきまといます。上司と部下の間には相性というものがあり、相性のよしあしによって、評価が変わるといったことはしばしばあります。(中略)ただ、こうした問題はある程度仕方がないのではないかと私は思っています。(中略)なぜなら、チームが優勝できなかった場合に、最終的に責任をとるのは、選手ではなく監督だからです。

ここは読んでいてハッとさせられました。確かにそうだよな、と。

 

管理職は、チームの成果が挙がらなかったときに、真っ先に責任を問われるリスクを抱えています。

その反面、チームのマネジメントについて大きな裁量を与えられています。評価についても、管理職が一次評価をくだします。

 

部下は、チームの成果が挙がらなかったとしても、責任を問われるリスクはありません。
その反面、チームのマネジメントについては裁量を与えられていません。評価についても、基本的には、管理職からの一次評価に従うことになります。

 

これはトレードオフの話に似ていると感じました。

管理職であることのリスクとリターン、部下であることのリスクとリターン。

評価の公平性は難しい問題ではあるものの、だからこそ、ある程度は仕方ないと割り切る必要があると思いました。